水道工事の本当のところその3

ユーザー車検のようなもの

ユーザー車検ってご存知ですか。車のオーナーが自分でする車検のことです。 少し意味合いが違いますが、この概念は水道工事にも当てはまります。 ユーザーが自分で車検をした場合、もちろんその結果に対する責任はユーザー自身にあります。 水道工事でも同じく、ユーザーが自分で水道工事や修理をすることができます。 水道法でも軽易な工事は主任技術者でなくてもできると言っていますが、これは請負でする場合のことです。 そこに利害が発生しない場合、例え軽易な工事でなくてもそれを取り締まる事は現在ではできないと思います。 自分でした結果、漏水が発生して莫大な水道料金が課金されたとしても、それはユーザーの責任です。 他の水道利用者に被害が及んだとしても、ユーザーが責任をとらなければなりません。 そのようなリスクをふまえて自分でするという人はあまりいないと思いますが、 できないことはないと言う事です。 もちろん指定工事店が日頃している申請の手続きも全てユーザーがすることになります。 かなりの時間と労力が必要でしょう。普通の人にはなかなかできないことですね。

お断りしておきますが、ユーザーによる工事や修理を奨励しているわけではありません。 こういう事も可能だという例を挙げているだけに過ぎません、勇気と時間のある方は、 チャレンジしてみるのも面白いかもしれません。

なお、各自治体の条例によって異なる場合がありますのでご注意下さい。 規制緩和されたと言っても、まだまだ自治体は独自性を出したいと考えているようです。 これでは規制緩和の意味があまり無いのですが・・・:-)

大まかな手続きの流れ

せっかくここまで書いたのですから、大まかな手続きの流れを見ておきましょう。 指定工事店に依頼した場合、見積書には書かれてないけれど、 これだけのことも含まれていると思って見ていただければ幸いです。

  1. 工事の申請書を提出する。給水装置工事と排水設備工事とは別になります。
  2. 申請書が承認されたら納金を済ませる。自治体によって金額が異なります。
  3. 工事をする。各自治体の条例に沿ってする必要があります。
  4. 完了書類の提出、および検査願い。自治体によっては進捗写真が必要。
  5. 検査を受ける。主なものは給水工事では水質テスト、水圧テスト、 それに全ての装置が量水器を通っているかどうか。排水設備では、流下テスト、 分流式にあっては雨水とその他の排水が分けられているか、など。
  6. 検査済証の交付となります。

ちょっと見ただけでも面倒くさい感じですね。他にもこまごまと有るのですが、 ここでは割愛いたします。この後にでてくる、材料や道具を見ると、 ますますやる気が失せるかもしれません。

ここでもお断りです。 ユーザー自身が自分で工事することを推奨するものではありません。 こういう事も可能だという事を申し上げているに過ぎません。 私自身今までの生涯で1回だけこのような事例に遭遇しております。 そうした経験上、やはり指定工事店に依頼するのが一番の近道であると申し添えます。


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Updated: April,10,2015.