水道工事の本当のところその7

見積無料は本当?

「お見積もりは無料です。」よく見かける宣伝文句ですね。少し眉唾で見ていませんか。眉唾で見る気持ちを大切にしてください。 見積もり依頼に無料で答えてまったく仕事が入ってこなければそんな会社はつぶれてしまいます。

無料で正確な見積ができるか

正確な見積をするには、相当の見る目と判断力が不可欠で、想定外の事態にも対応しなくてはなりません。 新築の場合は概ね見積通りにできることが想定できますが、改造や修繕ではそうはいきません。 そんな見積が無料でできるはずがありません。どのようにして無料にしているのでしょうか。 見積を無料でしてもそのための人件費はかかっています。どのようにして回収しているのでしょうか。 そんなこと気になりませんか。

見積書の見方はどうすればいい

見積書を見るとき何に注意してご覧になるでしょうか。金額ですか、使っている材料ですか、 それとも見積書に添付される図面を見て検討されるでしょうか。一言で見積と言ってもその形態は様々です。

新築の見積なのか、修理などの見積なのかによって変わってくると思われます。 新築の場合、給水装置工事主任技術者の試験では建築平面図を基に設備の平面図を作り配管を記入後、立面図を書きます。 その図面に基づいて材料を拾い出し、積算して見積書にします。排水設備工事責任技術者の試験でも、 同じく建築平面図を基に設備平面図を作り、必要に応じて縦断図を作成します。 それに基づいて材料の拾い出しをするわけです。つまり見積書ができるまでに図面ができているのが普通と考えて差し支え有りません。 修理の場合、正確な見積は不可能と言って良いでしょう。簡単なパッキン替えなどは見積もりするまでもありませんし、 見積が必要なほど大規模な修理の場合、新築の時とは違い、想定外の事態も考慮に入れます。 したがってほとんどの場合実際より高い目の見積になってしまいがちです。時として予想だにしない事態になり、 見積書よりも高く付く場合も有ります。それほど修理の見積は当てになりません。 当社では修理の見積は基本的にしておりませんが、どのようなときにどのような事態が起こりうるかはご説明しています。

工事に入ってから

いざ工事に入ってから、「それは見積には入っておりません」などと言われたことはありませんか。 見積書の備考欄に○○は別途などとたくさん書かれていませんか。数社から見積もりをとって、 果たして同じだけの内容が含まれているかどうかどのようにして判断されていますか。

一番トラブルの元になるのが、「それは見積に入っていません」とか「これ以上は別途工事です」などと言う場合です。 こんな時図面や明細書があると無用のトラブルが防げます。新築の場合は当然両方とも出して貰いましょう。 修理などの場合は、心配なら先ず最低限の修理に必要な見積を貰いましょう。それだけで一旦修理を済ませてしまいます。 「ついでにアレも」とか「こちらも傷んでいるようです」などはとりあえず聞き流して、 応急修理が済んでから信頼の置ける業者にゆっくり見積もりして貰いましょう。 もちろん緊急で来てくれた業者の顔を立てるのもお忘れ無く。

不可解なまま契約をしない

取り上げればきりがないほど、見積書は不可解ですね。自分が思っている内容を正確に伝えて、それが全部含まれていることを確認して、 見積以外一切の支出がないこと、または、別途となる工事の明細がはっきりしなければ契約してはいけません。 契約というのは書類を交わすことだけではありません、口頭での約束でも立派な契約です。

見積書でわからないことはとりあえず何でも聞きましょう。わからないところは明確にする必要があります。 使う材料のサイズや量、品番などが載っているかどうかなども重要です。どうしても心配ならお役所に相談してみるのも1つの方法かも知れません。 焦らずゆっくり決めましょう。結論をせかしてくる業者は怪しいと思って良いかも知れません。

見積書は原則有料

私の会社では見積は無料ですとは謳っておりません。工事をさせていただくことが前提で、 そのための費用がどれくらいかかるかというための見積書は無料で作成しています。 これは後々のトラブルを避けるためと、お客様に安心していただくためです。

無料の見積でも安心できなくては意味がありません。もちろん良心的に無料で見積をしてくれる業者もあります。 それでもどこかで回収しているわけです。最初にも言いましたが無料の見積ばかりして仕事をしなければ会社はつぶれます。 日頃から安心して工事や修理をして貰うには。水道のホームドクターを持つことも大事かも知れません。 いつも同じ業者に見て貰っていると配管も頭に入っていますし、診断も素早くできます。取替時期も明確でしょう。

見積書を作成すると言うことは、正確にすればするほど、実は大変な作業だと言うことをおわかりいただけたでしょうか。 お断りしておきますが、無料の見積をしているところが悪いとは言っておりませんので勘違いしないでください。良心的な業者も数多くあります。 時々、修理に来てくれた業者がついでに関係ないところまで修理して法外な金額を請求されたなどという話を伺います。 私たち水道屋にとっても迷惑な話です。そんなことが起こらぬようにと思いこのページを作りました。 みなさんのお役に立てば幸いです。


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Updated: April,10,2015.