水道工事の本当のところその4-4

水道工事の材料

衛生設備工事の材料

衛生設備と言いますと大変範囲が広くなりますので、全てをご紹介できません。 大まかなものだけでも、水道屋がどれくらいのことまでしているのか知っていただければ幸いです。

水回りの設備がほとんどこの工事に含まれます。工務店から納入される場合もあるでしょう。 また、本来は給湯設備にはいるかもしれませんが、給湯器などの熱源もこちらで紹介します。

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あなたの家の水回り、狭いと感じたことはありませんか。 なんだか使いにくいけど、こんなモノだと諦めているのではないでしょうか。 最近の住宅事情では仕方がないかもしれませんが、もう少しずつ広くしたいと思いませんか。 水回りの改造をされる方はほとんどそのような希望をお持ちです。 一番長く家にいる奥様にとって水回りが一番よく使う部屋なのです。 是非とももう少しの面積と予算を計上してください、きっと後悔しませんよ。

台所用器具

今では当たり前になりつつあるシステムキッチン、工務店さんが請け負われることも多いですが、 水道屋さんもこの道のプロです。ショールームの案内から設計、見積ご提案など致します。 システムキッチンは美しく仕上がります。以前は高嶺の花のような存在でしたが、 競争の原理とコストダウンの原理から誰にでも手が届くものになってきました。 普通のキッチンとの違いは天板に継ぎ目がないと言うことと、 グレードによっては部屋のサイズにある程度合わせて作ることができるという事でしょうか。 よほど高いグレードでない限り、これ以上の差は無いと思って良いでしょう。 お客様によってはそこそこの時期には取り替えるので普通のキッチンでよいと言う方も居られます。

システムキッチンの値段の差は、細かく拾い上げるときりがありませんが、 大まかには、天板の種類と扉の種類で値段が決まります。それ以外はほとんどかわりません。 したがって自分が使いやすいレイアウトを優先に選び、最後に天板と扉のデザインで妥協点を見いだす。 これが一番賢い方法でしょう。

天板(カウンター部)には人工大理石かステンレスがほとんどです。 高級なものには人工大理石、廉価なものにはステンレスの場合が多いです。 人工大理石の中にもグレードがあり、天然石を練り込んだような高級タイプから、 ほとんど真っ白の廉価タイプまであります、作る料理の趣向によって選べばよいでしょう。 まれに超高級品では本物の大理石もあるようですが、取り扱いに注意が必要かと思われます。

台所用の水栓類には壁付タイプとデッキタイプがあります。 最近ではキッチンの天板から立ち上がっているデッキタイプが多いようです。 操作性では、従来の2バルブタイプとシングルレバータイプに分けられるでしょう。 直流とシャワーの切換がついたもの、サオの先がシャワー付ホースになっていて、 引き抜いて流し台が洗えるものまでバリエーションは豊富です。

他には食器洗い機や浄水器など、最近よく見かけるようになりました。 このような製品は出来上がってから置くよりも最初に組み込んだ方が美しく収まります。 また、浄水器などは専用のバルブを設けておくと後々便利です。このあたりは忘れがちというか、 予算の都合などで後回しになりがちですが、仕上がりを見てから重要な要素だったと気付きます。

風呂用器具

風呂用器具と言ってもぴピンと来ないかもしれません。浴槽や風呂釜なシャワー水洗などがこれに当たります。 最近の住宅では圧倒的にユニットバスが増えています。施工が早い、在来工法のように浴室からの湿気の漏れが無い。 肌に触れる感じが暖かい。1階以外にも気軽に設置できるなどのメリットがあります。 反面、サイズが規格化されていて、自由なレイアウトができない、とてつもなく大きなものは無理、 多角形などの不定形のものはできない、などがデメリットとしてあげられるかもしれません。 最近一部のメーカーから、サイズがそこそこ自由に決められるものも発売されています。

住宅の中で一番傷む場所はやはり水回りです。特にお風呂が在来句法でできている場合、 どうしても避けられない湿気や少量の水漏れが発生している場合がほとんどです。 湿気は建物にとっては大敵です。できるだけユニットバスにされる方が良いでしょう。 一風変わったお風呂がほしい方には向きません、そのときは防水工事に最善の注意が必要です。

お風呂の水栓と言えばほとんどハンドシャワー付湯水混合水栓と言って良いでしょう。 温度調節機構(サーモスタット)を備えたものが主流です。 急な操作や温度変化にはフェールセーフで少し緩い目のお湯になるよう設計されていますので。 高齢者や障碍者が居られるお宅でも比較的安心です。 ほかにもシングルレバータイプやミキシングタイプがありますが、あまり使われていません。

そのほかにはジェットバスや泡風呂などと言った特殊な浴槽も設置することができます。 これは浴槽だけでなく、付属する設備も総合的に配置しなければなりませんので事前の綿密な打ち合わせが必要でしょう。

洗面用器具

最近もっとも普及しているのが洗髪ができるシャンプードレッサータイプの洗面台でしょうか。 水を受ける鉢が大きく、洗髪以外にも小物の洗濯などに使われる家庭も多いようです。 洗面台と言うよりも多目的ユーティリティと言う方がふさわしいかもしれません。 もちろんストレートとシャワ−の切換ができるものがほとんどで、高さの違うフックがついたものや、 伸び縮みして高さの変えられるものなど色々です。もちろん普通の洗面台や収納部のない洗面器も健在です。 設置場所に余裕のある方はあえて洗面器を取り付けられるケースもあります、スッキリして気持ちの良いものです。

最近はどのメーカーも洗面台に力を入れていますので、色々バリエーションが豊富です。 三面鏡のついたものや、まだその上に収納部のあるものまで、まるでシステムキッチンのような、 システム洗面台もあります。

洗面用の水栓も今ではほとんど湯水混合水栓です。廉価なモノからオシャレで高価なモノまで、 バリエーションは豊富です。押しつけのセット品ではなく、好みのモノを選ぶのも楽しいかも知れません。 もちろん適応できるモノとできないモノがありますが、専門家にご相談下さい。

トイレ用器具

トイレと言えばもちろん便器ですが、あまり深く考えないで決めていませんか、 また設置場所も一昔前の玄関の近くから、高齢化社会もふまえた寝室の近くに変わってきています。 最近では腰掛け便器を1つだけと言うタイプが主流ですが、便所を汚す原因がほとんど男性の小用ということから、 狭い場所でも設置できる小便器も見直されています。

便器にも機能面でいろんな種類があるのをご存じでしょうか。たぶんどの工事店もあまり説明してないと思われます。 便所から公共汚水マスまでの距離なども関係しますので、適合などは専門家と話し合う必要がありますが、 大まかな種類と特性などをご紹介します。

洗い落とし式便器

今まで一番普及していたと言っても良いでしょう。便器の中で一番小さいから設置場所を選ばない、 値段が安いので予算を気にしなくて良いなどの利点があります。 反面、洗浄音がうるさい、洗浄力が弱く時々便器に汚物が残ってしまうなどの欠点もあります。 簡単にいってみれば水の勢いで押し流しているだけの便器です。 また便器の溜水面が小さいので乾燥部分に汚物が付着しやすいのが難点です。 汚物の搬送距離が比較的短いので、便所から公共マスまでの距離が長いところには不向きです、 排水管の勾配にもよりますが10m位までに抑えておくのが無難でしょう。

セミサイホン式便器(ネオボルテックス)

洗い落としとサイホンの中間と考えて良いでしょう。洗い落としとサイホン作用を併用したモノと、 流水作用を併用したモノがあるそうです。洗い落としより節水効果があり少しだけ洗浄音も静からしいです。 洗い落としよりは溜水面が少しだけ広いのですが、さほどかわるものでもないようです。 どちらかというと節水効果を上げるために開発された洗浄方式と言って良いのではないでしょうか。

サイホン式便器

排水設備工事のところで説明しましたが、便器にもトラップがあります。 トラップの形状を少し工夫することで排水管では本来起きては困るサイホン現象を利用して、 便器内の汚物を引き込んで流そうという方式です。流れの最後にゴボゴボっと音がしますが、 洗浄中は大変静かな便器です。溜水面もそこそこ広いので臭いの拡散を抑え汚物の付着が少なくて済みます。 洗い落としに比べて汚物の搬送距離は長くなります。

サイホンゼット式便器

サイホン便器にゼット穴と呼ばれる穴から水を勢いよく汚物に吹き付け勢いを付けて便器内の汚物を洗浄する便器です。 サイホン便器より溜水面が大きく臭いの拡散と汚れ防止によりいっそうの効果を発揮します。 洗浄音は少し高くなりますが、確実に汚物を搬出します。 また汚物の搬送距離も相当長くなるので、トイレと公共マスがかなり離れていても搬出してくれます。

サイホンボルテックス式便器

サイホン作用と渦巻き作用を併用して確実に汚物を搬出する便器です。溜水面も大変広く、 また、洗浄音は抜群の静粛性を発揮します。かなり高級な便器ですが、一度使うと他が使えないでしょう。 夜中にトイレに行っても気にすることがないくらい非常に静かです。 これからはの時代、寝室横に便所が当たり前になってきます、静かさも選定基準の1つになるかも知れませんね。

ブローアウト式便器

一般住宅にはほとんど関係ありませんので、ご紹介だけです。ゼット穴から洗浄水を強力に噴出させて、 その勢いで吹き飛ばすように排出する便器。排出が床方向ではなく壁方向になります。 洗浄方式はフラッシュバルブになるので非常に大きな音がします。パブリックトイレ向きと言うことでしょう。

ダイレクトバルブ方式便器

端的に言えば直圧式の便器ですが、フラッシュバルブの用に単に水を流すだけとは違い、 洗浄の段階に応じて、開けるバルブを切換、効率よく汚物を排出する方式です。 これによってずいぶん節水が可能になったようです。 タンクが無い分狭い場所にも設置できるのが特徴ですが、 自治体によっては設置できない場合もあるかも知れません。 便器の直接洗浄バルブがついているため、水道水の汚染を防止するために自治体が独自に決めている条例があるためです。 採用の際には事前に確認する必要があるでしょう。

タンク方式とフラッシュバルブ方式

便器の洗浄に使う水ですが、ほとんどの家庭ではタンクに水を貯めておいて、洗浄に使います。 しかし公衆便所や、学校などの施設では便器の横にレバーがあって、 押さえると一定量の水が流れる仕組みのモノをご覧になったことがあると思います。 前者がタンク方式、後者がフラッシュバルブ方式です。タンク方式にはハイタンク方式とロータンク方式がありますが、 一般家庭では現在はほとんどロータンク方式です。 両者は水の出し方が違うだけで、便器の洗浄方式とは関係ありません。ブローアウト式はロータンクからの落差では、 勢いが足りないので、フラッシュバルブ専用と唱っているわけです。

小便器

昔からおなじみの朝顔タイプの小便器、最近ではほとんど見かけなくなりました。 特に一般家庭ではトイレの清潔を保つ意味でもストールタイプの小便器が良いでしょう。 設置場所に余裕があれば、通常の小便気がつきますが、狭いところ用に、 細長いモノや厚みの薄いモノが用意されています。 見た目にも気を遣っていて蓋付のモノまであります。

洗浄方式は規制している自治体をのぞきフラッシュバルブ方式です。 最近ではただ流すだけではなく色々工夫されています。 人感センサーを使って自動的に洗浄するモノ、その中でも前に立ったとき予洗してこびりつきを防止し、 人が離れると本洗して清潔に保つモノもあります。 小便器は流し忘れる(わざと流さない)事が多いようですが、思わぬつまりの原因になります。 最近の便器はトラップ部分をはずせるモノが多いので何とかなりますが、臭気の原因となりますので、 流し忘れは防ぎたいですね。

洗浄・乾燥・暖房便座

なんだかわかりにくいですが、ウォシュレットやシャワートイレのことですね。 この製品も普及するにつれどんどん多機能になっています。ワイヤレスリモコンは当たり前で、 消臭機能を持ったモノや、前に立つだけで蓋が開くモノなど様々です。 ご自分のニーズにあった製品を選ぶようにしましょう。

ちなみに2大メーカーのTOTOとINAXでは洗浄方式に根本的な違いがあります。 噴射する水が垂直に出るか斜め前方に出るかです。一長一短があるようですが、 痔主さんによりますと垂直に出る方が良いとのことです。 理由は洗浄中に肛門を少しゆるめると洗浄水が肛門内に入りやすいそうで、 肛門内に入った水を排出することで肛門内を清潔に保てるためだそうです。 今まで痔で悩んでいたのが嘘のようだそうです。痔主様はお試し下さい。

手洗い器

畳1畳分くらいの便所ですと手洗い器を付けることができます。 小便器を付けてしまうとちょっと窮屈になりますので機器の選定やレイアウトの工夫が必要です。 通常の壁付タイプからコーナー収納と合体したモノ、壁に半分埋め込むタイプなど。 また、手をかざせば自動的に水が出るものや、レバーを押さえると一定量の水が出て自動で止まるモノなど多彩です。 予算に応じて選ぶことができるでしょう。

その他付加価値としての機能など

近頃あらゆるモノに抗菌処理済みなどと書いたモノをよくご覧になるでしょう。 便器も当然のように抗菌処理されたモノが増えています。 また、便器の溜水面の汚れが落ちにくいとお悩みの人も多いことでしょう。 便器そのものに汚れを付けない加工をした便器も発売されていますし。 既についている便器に加工してくれるサービスもあります。参考までに覚えておくと良いでしょう。

そのほかにはペーパーホルダーや、場合によっては手すりなど、トイレを構成する機器類はたくさんあります。 このあたりはご要望があれば掲載を考えます。

水栓類

それぞれの器具のところで紹介した以外の水栓について少しふれておきます。 庭に水をまくときや洗車などに使う散水栓、10cm角くらいの柱が立っているタイプと、 箱に入って地面に埋まっているタイプがあります。通常ホースがつなげるようなかたちになっていますが、 ワンタッチで付け外しができる自動接手や盗水防止用に鍵のついた水栓もあります。

他には洗濯機のホースが、それ用の金具を取り付けなくても繋ぐことができる洗濯機水栓。 金具がうまく付けられず水が噴き出した経験はございませんか。

また、納品に時間が掛かりますが、表面のメッキや塗装を選ぶこともできます。 茶室などにはブロンズの水栓、ちょっと豪華に金メッキなどを選ぶこともできます。

ユーティリティー用器具

洗濯機の横に手洗い用の洗濯槽が欲しいと思ったことはありますか、専用の器具があります。 洗濯機の下に敷かれている防水パン役に立っていますか。

洗濯用流司というものが発売されています、ずいぶん昔から有りましたがスペースの関係で、 採用される一般の住宅はあまりありません。バケツが入るように深い目で、洗濯板が付いてくるモノまであります。 スペースに余裕がありましたら採用を検討してみてはいかがでしょうか。

洗濯機用防水パン、最近の住宅ではほとんど付いているようです。使い勝手はいかがですか。 ホースの取り付けがしにくくありませんか、時々ホースがはずれて防水パンの上に水が溜まりませんか、 かえって汚くないですか、私自身あまりこの製品はおすすめしていません。もう一工夫欲しいところです。

アクセサリー類

タオル掛けや、鏡、トイレの紙巻き器に、便座カバー、手すり、など様々ありますが、 メーカーをそろえておくと色がそろうとかデザインがそろうとか利点は大きいです。 タオル掛けには、リングタイプやバータイプ、二段掛けなどもあり用途に応じて選べます。 鏡は、湿気の多い場所用に耐食性の鏡が用意されています、時々裏のメッキが剥がれた鏡を目にしますが、アレを防ぎます。 紙巻き器などは最近2個以上付けられるモノを選ぶ人が増えていますし、棚の付いたモノもあります。 手すりは施設に使われているようなメッキのモノばかりでなく、部屋のデザインに合わせて選ぶことができます。 お年寄りや体の不自由な人への配慮が、自然な感じで仕上がります。 便座カバーなども純正品はカッチリとつきますし、材質も良く長持ちします。 便器ごとに専用を作っているわけですから、お値段は高くなりますが、損はしません。

給湯器などの熱源

これもまた多種多様で全てを網羅するにはかなりの覚悟がいりますので、 大まかにご説明いたしましょう。要望があればその都度増やすと言うことにでも致しましょう。

ガス給湯器

もっともポピュラーな熱源かも知れません。昔のように種火もないし必要なときに必要なだけ、 お湯が出せるというわけです。風呂の追い炊きができるモノや、床暖房の機能を持つモノまで多種多様。

石油給湯器

なぜか比較的田舎に多いのはなぜでしょうか。ガスに比べて燃料費が安いが、瞬間でわかすのが苦手、 ある程度貯めて置いて一定温度に保つタイプが多い。1シーズン置いたあと古い灯油を使うとボイラーが傷みやすいので注意が必要。

電気温水器

お安い深夜電力を使って夜中にお湯を沸かしておくタイプが一番多い、時々足りなくなったときのために、 昼間に追い炊きできるものも出てきている。一時電力会社がたくさん宣伝していましたが、今はさっぱり、 どういう都合があるのでしょうか。火気を使わないので安全です。

太陽熱温水器

その昔一世を風靡した太陽熱温水器、今でも根強く生き残っていますが、新規に開発しているのかどうか? この太陽熱温水器、設置価格の元を取るのはほぼ無理でしょう。 天気に左右されますし、冬場はうまく使えばそれなりの効果はあるのですが、ほとんどの人が使っていない状態です。 不景気になると流行るのですが、今回の不景気は流行ってこないですね。学習能力が付いたのでしょうか。

かく言うツタヤ兄弟商会も前進はユニエーターブランドの太陽熱温水器、近畿地区総販売元だったのです。 木箱に黒塗りのガラス瓶、専売特許品で大阪の見本市に展示、常陸宮様とユニエーターの写真があるくらいです。 作者が幼少の頃、瓶にペンキを塗るのを手伝った記憶があります。


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Updated: April,10,2015.